確信していた。
その一歩が確実に明日に繋がることを。
確信していた。
これであの忌まわしき過去から逃れられると。
今こそこの一歩を踏み出すときだ。
「あーそこの!君!こらこら君だ!そう、そこの。
年齢は?二十歳?二十歳には見えんなぁ。一人で来たの?
じゃあ身分証明書はある?そう、じゃあ持ってまた来なさい。
こら!行くな行くな。だから一度戻りなさいって。
そう。身分証明書持ってきなさいね!」
差別だ。いけない。差別はダメ。メ!
今こそこの腐った社会に鉄槌を振り下ろすのだ!
6月2日
8がつ21にち
けんちゃんと遊んだ。
けんちゃんはとってもあたまがいいので、まいにちただでぎょうざを食べているそうです。
ぎょうざをいっぱいたのんだら、おなかがいたいふりをするんだよ。
そうしてといれに行ってまどから出るんだ。
8月22日
もうダメだ。俺は今生きているのだろうか。
ペンのインクをメモ帳へとうつすことだけが、俺に残された唯一の使命だ。
生き永らえるなどとはもう思ってはいない。希望は、捨てた。
ああ、また頭の奥底から奴が俺を呼んでいる。
この島についてから約30日といったところだろうか。
月の満ち欠けだけが頼りだ。
頭が割れてしまうほどに痛い。
奴が呼んでいる。
そろそろ正気を保つのも限界のようだ。
願わくば、この日誌が海を越えて誰かに届くことを祈る。
8がつ23にち
けんちゃんのいえにあそびにいったよ。
けんちゃんのおにいちゃんはべんきょうでいそがしいみたいだから
お外であそぶことにしたんだ。
まずはよしこちゃんちにしのびこんで、かねめのものをもってきてから
おかいものをするんだって。
けんちゃんがいいって言ってるんだから、おこられないよね。
8月24日
意識が飛ぶ回数が増えている気がする。
今やどっちの人格が主人格となっているのだろうか。
もしかしたら俺のほうが、内なる存在なのかもしれない。
それを考えると恐ろしさが込みあげる。
食事という食事ももう半月はとっていない。
俺に残されている食料は木の実しかないのだが、取りに行く気力すらない。
もうだめだ。
これを受け取った人がいるならば、伝えて欲しい。
この世はおしまいだ。
そんな2重人格。
6月4日
快挙だ。
これは、ものすごいことなんだ。
少なくとも西暦が始まってからは、まだ成し遂げられたことが無い。
すげぇ、なんかすげぇぜ。
ニュース速報。
自然食品再利用廃棄物可食可計画の論文でなんかすごい賞を
いただくことになっていたどっかの教授ですが、授賞式で
「お尻の穴が緩むわぁ。」
と、賞状を受け取る直前で便を漏らしたため、受賞をとりやめることになりました。
なお、論文の内容は「うんこを喰うこと」なので、教授は論文を発表する代わりに
実践した模様。
人々は、このようなスカトロジーな一面を見せられて動揺しており、寝取られ男が急増する
と政府の発表があり、事態は深刻化しています。
予防策としては、毎日食後にはみがきをし、お口を清潔にしておけば口臭で悩む心配はなく
とても快適に暮らせるため、非常に便利です。
でも、あまりに眉毛を剃りすぎると周辺が青くなるので注意が必要です。
嗚呼、一番書いててよくわからん文。チョット疲れてるだけです。。。
6月5日
何か嫌なことがあると少年はオロナミンCを大量に飲んだ。
ある時は友達に馬鹿にされ、帰路のコンビニで。
ある時は別れを告げられ、家で。
ある時は仕事に失敗しお説教を喰らい、駅で。
オロナミンCさえあれば何でも乗り越えられる、そう確信していた。
たまにリポビタンDも飲んだりした。
生きていくうえで、もはやオロナミンCは必須となっていた。
そんな少年、ある日検尿で陽性反応が2回も続けて出た。
悔しかった。
今まで以上にオロナミンC漬けの生活が始まった。
すでに肉体はオロナミンC体液で侵食され、血液も
オロナミン系統の微炭酸に変わり果て、血管がちくちくした。
「麻薬」
そう言えるのかもしれない。
オロナミンCがないと生きていけない、依存症なのだ。
やがて脳が微炭酸によってとろけはじめ、ゼリー状になり、
植物化してしまう。
鉢植えに飾られた少年(樹齢16歳)は、肥料として甲子園の土、
水はオロナミンCでよく育ちます。
ご購入をお考えの方は、こちらまで一報ください。
送料・分割手数料はジャパネットがすべて負担します。
6月7日
絵本
ドラゴンという生き物は確かに存在していました。
恐竜とは違う種の獰猛な雑食ドウブツです。
ミドル級ドラゴン科盲目のオパー(未熟児)というドラゴンがいました。
オパーは人肉を好み、その日も食事をもとめて小さな集落を探していました。
でもオパーは目が見えません。
目が見えないため、触角が生える進化をしました。
オパーはその特性上、夜に行動をすることが多くなりました。
黒い外見に進化しました。
オパーは体がひ弱なため、鍛えることにしました。
足がいっぱい増えて、とっても効率よく早く動くことができるようになりました。
オパーは球児です。
暑い季節によく出没しやすくなりました。
僕の家で、オパーが見られる時期になりました。
みんなの後ろにも、オパーがほら。
6月8日
とある地方-雪国なのだが、それはそれは美しいオナゴがおったそうな。
そのオナゴ、不思議なことに夜も更けた頃に家を抜け出し、朝日が昇るころに戻ってくるというなんとも記事になりそうなオナゴなため、我ら不可思議探求隊は調査に乗り出した。
正直、原稿の締め切りが近くなかったらこんなアホな取材などしないのだが。
村に着いてから現地民の人々とコンタクトをとり、そのオナゴの家を突き止めることに成功した我ら不可思議(略)は、さっさと終わらせて帰りたかった(ビデオの録画を忘れた)のでオナゴの家に向かった。
応対してくれたのは例のオナゴらしく、いかにも普通の女性なのだが、どこか神秘的なとこがあるって言われればあるのかも。まぁどうでもいいや。
取材なのだが、回りくどい聞き方もどうかと思うので率直に聞いた。
するとオナゴは微かに微笑んで、一緒に来るように促してきた。
ドラマが見たかったのだが、ついてきたら飴をたんまりとくれるらしいので快く了解した我々は、月明かりでうっすらと情景が伺える雪野原を進むオナゴの後を着いて行った。
子一時間ほど歩いた我々はすでにブーイングが絶えない状態となっており、足が疲れ果てて動けなくなっていた。それでもオナゴは進んでいく。
しばらくすると、いかにも何かありそうな洞窟の入り口に着いていた。動物の骸が辺りには散らばっている。
これは記事になりそうなので写真を撮っておくように隊員D(ebu)に命令したところ、家にカメラを忘れたとかほざきやがったので、入り口で待たせることにした。
洞窟に入り、3つ目の分岐点あたりでなにやらオナゴの様子がおかしい。
雪国特有の白い肌が緑色に変わったかと思うと、舌が異常なほど伸びてきた。
あれ、目の前が紅いぞ…なに…った……血?……ろ…。
「知らない人に着いて行ったらダメだってお母さんに言われなかった?」
残されたD(ebu)がどうなったかは知らん。
6月9日
ロシアの偉い学者さんが「時空を飛び越える旅」をするとの情報が偶然にも
我がお耳に入ったため、予定(残業と称した麻雀)を早めに繰り上げ、
翌日には有給届けを出し、単身ロシアへ。
寒いことこの上ない。
一度、冬のモンゴルというものを体験した私だが、その時も鼻水は凍ったし、
外で小便をしようものなら、間違いなく蛇口のほうまで瞬間的に凍るだろうというモンゴルの冬。
今回、幸い夏であるということだけが救いだったのだが、半そでのシャツしか持っていかなかったので、3秒でも気を失えば即魂が抜け出るだろう。
話を戻すが、「時空を飛び越える」などはアニメや空想でしかないと思っていた。
実際にその学者に話しを聞いたところ、「(独りじゃ寂しいから)一緒に来ることを許す。」
というありがたき許可を得た。
旅が始まって小一時間ほど経過しただろうか。
まだ私は開いた口が塞がらない。なぜ今学者の同伴で気球に乗っているのだろう。
曰く、「飛び越える方法はいくつかある。棒高跳び、飛行機、バンジージャンプ…。
だがあえて気球を選んだのだ。素晴らしい時の旅を楽しもうじゃないか。」
その2時間後、空気の薄い極寒に裸同然でいる私は、学者を恨むことは無かった。
眼下に広がる景色は、今この時でしか見られない、唯一の景色だった。
おそらく、これで私たちが海に不時着でもした場合は、「時空の彼方に散った」等の胡散臭い記事が胡散臭い研究隊によって書かれるのだろう。
こんな社会、大嫌いだ。
消えちゃえ。
6月10日
都合により削除
6月11日
あの時。
夢が叶い、警察官となった僕は早速補導の仕事を行った。
夜の街、ソープ街を巡回していたところ女子高生を発見。
すぐさま僕は、女子高生を諭し居場所へ帰るように促した。
ところが、女子高生は「ありがとう。」とだけ言い残し、
その場、目の前から姿を消した。disappearedってやつだ。
最近、このようなケースが多く、疲れているだけと自分に言い聞かせていたが
怖くなってきたために、その筋の専門家に話しを聞いたら、「運気が悪い仕事ですね。」
と言われ、転職を勧められた。
今、僕は新たなる一歩を踏み出す。
この「峰子の相談室」で。
※5月24日参照のこと。
相談相手が見つかって幽霊達は大喜びです。
6月13日
野球というものに本格的に打ち込んでいた頃の話だが、滅法直球(アウトコースは特に)に強い俺はいつからか、丸ちゃんと呼ばれていた。多分、野球を始めるずっとまえの幼稚園の頃からだけれども。
少し、深く入った話になるが、直球というのはインコース(打者の懐)で冴えるものであり、
俺は、インコースが苦手というわけでは無かったのだが、特別得意というわけでもなく、
いや、もしかしたら苦手だったのかもしれない。凡打を築くのはいつもインコースだったから。
インコースを捌くには、単純な要素だけ挙げると、コンパクトで鋭いスイングと、ボールを怖がらずに向かっていく勇気が必要であり、どっちも欠けていたわけで、猛練習を重ねていた。
少し想像して欲しいが、インコースの球を打つと、技術的に未熟な者はバットの根っこで打ってしまい、悪くて内野フライ、良くてファウルということがよくある。
未熟だった俺は、ある日練習中に打ったインコースは、良くてファウルの結果だった。
普通は、後ろへ逸れていく起動を描くボールが、なぜかよくわからないが、俺の眼球めがけて飛んできた。
球向かって球を打ったわけだ。
上の話とは全く関係ないのだが、本日、ガッコで新たな伴侶予定(前提に、という勝手な解釈)ができた為、今からオールでカラオケ行って喉つぶしてきます。
ワハハーイ!@23時10分家に緊急帰宅。吐き気。
え?バイト?諦めたし。
6月14日
能力の有る人間が、能力の無い人間を馬鹿にする社会ですから、
僕達マグルが馬鹿にされていることには気づいてますよ、勿論。
そりゃ魔法なんて使えたら便利でしょうし、とっさの事件にも対応できるんでしょうね。
バイト先に強盗が来たと想定。
異世界に飛ばしたり。
粉々に爆破(肉片も魔法で掃除)したり。
持っていた刃物を溶かしたり。
レジ部のパートナーさんにキレるように仕向けて、散々説教させて時間稼いだり。
店長がこっちに来るように仕向けて、1対1で会話させて口論に勝ったり。
そんな素敵な能力でしょうから、さぞ優遇されるんでしょうね。
バイト先に強盗来たのは本当なんですけど。刃物持ってな。
6月15日
バイトの仲間たちとさ、肝試しに行ったんだよね。
その日はすっごく店もガラガラでさ、体力も有り余っていたわけなんだ。
場所は、うちの近くの墓地。古くからある、お寺の墓地。
閉店後、歩いてその墓地まで歩いていったんだけどさ、なんか変なんだ。
空気がピリッとしていて、皮膚にヒシヒシと怒りみたいなものを感じて。
これはまずいなって思いながらも、一歩一歩奥まで進んでいったわけ。
ある地点まで行くと、もうこれ以上進んじゃいけない!って感じて、足が前に出ないの。
脳が、危険だから進むな、って命令してるんだろうね。
互いに目配せして、もう帰ろうか、って頷いた時に、草むらから猫が飛び出してきて、
連れの一人が持っていた懐中電灯が、落ちたんだよね。
丁度、今いる地点からギリギリ届かない、一歩進まなきゃ取れない地点に。
絶対ダメだろ、これはまずいって思いながらも、全員で一歩踏み出してみんなで行けば怖くないって結論が出て。
冷や汗タラタラでも一歩踏み出した…見ちゃった。
懐中電灯で照らされた、墓石の文字のところに、鮮血とは言い難い、ドス黒い血が垂れていたのを。
みんな動けない状態になったらしくて、正面から、影が近づいてきた。
ゆっくり近づいていて、大体、どんなものかもわかった。
肩から血が垂れていて、顔は見えないけど、その血を舐めるように肩に猫がとまってて。
その瞬間、体が動くようになったらしく、一人が元来た道を走って逃げたのに気づいた。
追うように、みんなが一斉に逃げ出したんだ。
その次の日、ある人がバイトを辞めたんだ。
詳細。
やめた人、俺。
((恋路に敗れた)老兵(オープニングスタッフ)は死なず、ただ(バイトを)去るのみ。)
そして肝試しなど行っていない。それらしいのは昔感じ飽きた。
だけど実体験。